砂上の楼閣の史話
BRACER
諸王の都の始まり
砂塵に落ちた貴人よ、この盲目の老人のはなしに耳を傾けてくれ—— ジュラバドの教訓を、一瞬にして滅んだ人造花の話を… 卑しい出自の王のことを、ジンニーとの狂愛と怨恨を… 赤砂の王は伴侶が逝去した後、ジンニーを使者にして凡人と秘密の契約を結んだという。 心が研磨されておらずまだ鉄や石になっていない者、そして幻の蜃気楼に侵されていない者こそ、 一地方の王になる資格があり、預言者のように迷える羊の如き民衆を統治できる。 こうして、偉大な主の慈しみ深い、それでいて厳しい眼差しの下、ジンニーはある者を見つけた… 若い羊飼いであったオルマズドは、睡蓮から生まれたリルパァールと愛し合った。 「あなたに百世の祝福を与えよう。けれどその代償は復讐の刃、赤くて鮮やかな酒」 「なぜなら、ジンニーの狂愛はいつも貪欲さと強要を伴う。そして公平だと思い込む残酷な報復に終わるもの」 絡み合う月明かりの下で、オルマズドはこの警告を聞き流した… 定められた罰は、若くて勇敢な少年からすれば、あまりにも遠すぎるようなものだったのだ。 ジンニーの助けの下、年若き羊飼いは放浪する一族の首領となった。 その後、オルマズドは割拠する国々の主に勝利し、一地方の王の座についた。 ジュラバドは造り物の花のように、山々の中で咲き誇り、凡人の国の首都となった。 かつて羊飼いであったオルマズドも、今や凡人の王となり、赤砂の主の代行者となった。 だが、盛りの花の芳香を楽しんだ人々は、思ってもみなかっただろう… 美しく咲いた後に実るのが、苦く強烈な死の果実だとは—— 師からかつて教わった昔話を胸に、サイフォスはサファイアの都へと旅立った。 昨日、金の流砂に埋もれた教訓は、明日になっても終わらない時の風と共に繰り返す…
