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マシナリー模型-「いわくなさげ」
複雑すぎる構造の金属模型。一説によれば、ある分野の数値を測定するマシナリーを真似た物。そのマシナリーは内部でいくつかの同心円が回転し、角度、速度、方向などの数値を記録してまとめ、専門の研究員が必要な情報を取り出していた。\nだがこの模型は単なる模型だ。同心円たちは自然の様々な事物と同じくのんびりと、呑気に回転を続け、何の役目も与えられていない——徹夜で測量と計算をしたある研究員が、家のマシナリー模型を睨みながら呟いた言葉である。\n一般人や仕事から逃避したい研究員にとって、この模型の穏やかに回る同心円たちは、難解なデータよりも心慰められるものかもしれない。

