「死告魔事件」に関する新聞の切り抜き
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「死告魔事件」に関する新聞の切り抜き
古い新聞の切り抜きで作ったスクラップ。乱雑なアンダーラインと走り書き付き。 請謁者暴走、血に染まった式典、幻月遊儀の行方は? 楽園暦1984年7月22日、請謁者1名がグラフィエ学院に侵入し、ここを起点に創立記念日の準備をしていた22名の学生を殺害した後、鳩川区方面へ向かい、合計146名の無辜の市民が死傷、数百人が事件の影響で直接的または間接的に二次被害に遭った。現在二次元シティの主要病院に搬送され、治療を受けている。 注記:民衆の恐怖が請謁者「死告魔」に莫大な願力を供給した。膨大な運命のエネルギーが、愉悦の仮面に祝福された運命の行人に集束した…… …… 超常現象管理局は「暴走した請謁者の鎮圧を完了した」と発表した。討伐にあたり複数の請謁者が死亡したため、今回の幻月遊儀は中断される可能性がある。 注記:カンパニー側は「死告魔」の能力や討伐の経緯について具体的な説明を避けているが、その理由は不明。 恐怖の狂宴 先日の海原テレビ局の放送番組『幸福をあなたに!』が二相楽園で大きな波紋を呼んでいる。ある視聴者は「被害者が過去を乗り越えて未来と向き合う姿は、二相楽園が血塗られた遊儀から抜け出して再生へ向かっていることの証明だ」という。一方でこれを「『死告魔事件』の被害者の傷口を開き、大衆の見世物にしている」とし、「二相楽園が病んでいる証明だ」とみなす者もいる。人々は出演者の本当の幸福には関心がなく、ただその笑顔を通じて、自分たちの恐怖を乗り越えようとしているだけなのだ。 注記:海原テレビ局は、現在は満願テレビに改組されている。 遅れてきた処刑 楽園暦1994年7月22日、超常現象管理局は本日「死告魔」の死刑を執行したと発表した。しかし10年遅れのこの処刑は、スターピースカンパニーに対する民衆の不満を解消するには至らず、二次元シティ、海原市をはじめとする各地で大小の抗議活動が相次いだ。現在、カンパニーの現地責任者からの公式発表はない。 …… 「死告魔事件」から10年経ち、二相楽園にはかつてない安定と平和が訪れていた。それでもなお、あの事件の恐怖と不安は、漆黒の靄のように重苦しく人々の心に留まり続けている。生存者たちは、生き続けることの苦悩に耐えかねて自死を選び、血塗られた遊儀の孤児たちは国家に刻まれた傷痕そのものとなった。人々は容易く人の命を奪う請謁者の存在を恐れたが、一方で、あらゆるものを数字と資産でしか見ないスターピースカンパニーのことも恐れていた。 注記:スターピースカンパニーが「死告魔事件」の事後処理についてこれほど曖昧な態度を取っているのは、同社がこの事件と深い関わりを持っているからかもしれない。
