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満願のカルテ
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満願のカルテ
名前:満願 性別:女 出身地:二相楽園 種族:ヒト科・ヒト属・アハトピア亜種 診療科:脳神経科 主訴: 患者は重大な精神的刺激を受けた後、言語中枢に原因不明の障害を呈している。 具体的には、自身が受け取った負の反応を言語化できず、感じている苦痛を自発的に伝えることができない。 また幻覚症状が確認されており、「他人の内なる欲望を見抜ける」と述べる。 病歴: 患者の身体状態は良好で、特記すべき病歴や遺伝性疾患は認められない。 一方で、心的外傷後ストレス障害の病歴あり。 検査レポート: 脳波図、脳葉構造スキャンおよびモデル検査の結果、患者の脳内に異物や明確な損傷は確認されなかった。ただし、共感覚ビーコン埋設部位に、原因不明の軽度な非病変性構造増殖が認められる。原因は不明。 局所的な願力検査(超常現象管理局の承認取得済み)を実施した結果、前帯状皮質に低周波で測定不能な映像が出現した。ただし、現段階では脳神経への顕著な影響は認められず、病状との因果関係も確認されていない。心理的要因による言語障害の可能性も否定できない。 検査の結果、患者は他者の欲望を正確に言い当てることができることが確認された。また、その言語化が行われている間、共感対象となった人物は強い幻覚を呈し、理性を喪失する。どういう仕組みで起きているのかは現時点では分かっていないが、催眠やテレパシーに近い現象だと考えられる。 本患者に見られるこの特殊な症状を、仮に「幸福の文法」と呼ぶことにする。 処方: 異常干渉系徐放錠II型、1日2錠、朝晩各1錠、食後30分以内に服用。 用量は、今後の病状の変化および再診の状況に応じて調整する。 診療: 経過観察とし、必要に応じて随時受診とする。
